特定非営利活動法人 静岡県ボランティア協会
事務局長 鳥羽茂
「助け合う地域社会にしていくために、静岡県のボランティア活動を推進しています」
静岡県ボランティア協会は、「誰もが安心して暮らしやすい社会」を目指し、個人やグループ、学校、企業などの活動を支援し、つなぎ、社会の様々な課題や問題に市民自らが主体となり取り組むボランティア・市民活動を、推進・啓発する中間支援機関として活動しています。
NPO法人静岡県ボランティア協会が誕生したのは2002年のことです。任意団体として活動してきた時代が長く、前身の静岡県ボランティア協会は1977年4月に誕生しています。
1965年(昭和40年)、重度の障害児を持つ親たちやボランティアらが、静岡市内の公園で子どもたちの青空教室を始めます。さらに、親たちやボランティアは、重度の子どもたちが安心して訓練が受けられる通園施設の建設を願い、募金活動や街頭署名を行いました。こうした市民の運動が実り、1974年(昭和49年)、静岡市によって心身障害児通園施設「いこいの家」が建設されることになりました。施設建設運動に関わったボランティアたちは、次にボランティア協会構想を掲げます。ボランティア活動をしたいと思えばいつでも相談できる場所、ボランティアのお手伝いをほしいと相談すれば、ボランティアを探してくれる場所。そんなボランティア協会が考えられました。全国には、既に大阪ボランティア協会をはじめ、ボランティア活動を啓発したり需給調整する機能をもった組織が誕生していました。静岡県ボランティア協会は、こうした静岡の運動と全国の流れにマッチする形で1977年(昭和52年)に誕生したのです。
静岡県ボランティア協会には、個人・団体・企業や学校、地域の組織などから様々な相談が飛び込んできます。そして、ボランティア活動の相談にはどのような形であれ応えています。全てに応えられるわけではありませんが、職員は誠心誠意対応しています。また、機関誌やホームページを通して情報を提供したり、移動障害を持つ人たちへの支援として「大型リフトバスふじのくに愛輪号・愛輪2号」の運行をしています。このバスは、運動ボランティアの協力により安全に運行されています。
夏のボランティア活動体験事業の「サマーショートボランティア活動計画」は、全県規模で取り組むプログラムです。また、ボランティア活動をしている人たちのネットワークの場になっている「静岡県ボランティア研究集会」事業は30年の歴史を刻んでいます。長く取り組んでいる事業は、マンネリ化しないよう常に地域のボランティアの風が吹き込み、新鮮な感覚で取り組めるよう心がけています。
阪神淡路大震災を契機に開始した災害ボランティアコーディネーター養成講座は、静岡県との協働により取り組んできました。また、3年前から行っている災害ボランティア図上訓練は、今では広域連携の在り方まで考える場になり、東海地震を通して全国の災害ボランティアの広域連携が実現しつつあります。
地方のNPO法人ですから、地に足をしっかりつけて活動していくことがとても大切だと考えています。東海地震などの災害時に備えた活動については、被災地である静岡県は大勢の人たちに支援していただけるよう、全国に発信していく力をつけていく必要もありますが、それ以外の活動では、まず足腰をしっかりさせ、ボランティアの風を社会に吹き込んでいく役割を続けていきたいと思います。
私たちのようなボランティア活動を推進する、いわゆる中間支援組織は、幅広い人的ネットワークを武器にしています。福祉・教育・災害・人権・平和・環境などボランティア活動の領域は幅広く、奥深くなっています。本協会の職員は、専門的な知識は無くても、芋づる式につながるボランティアの世界で様々な人たちとつながっています。さらに長い年月にわたる活動経験と、過去から今に至る時間の流れの中で、ボランティアの広がりや深まりを理解しています。
今、社会の中で何が必要とされているのか。ボランティア活動が全てに応えることはできませんが、一人ひとりのボランタリーな生き方が社会を変える力になっていることだけは間違いありません。
静岡県ボランティア協会は、財政的にはとても脆弱です。しかし、私たちには社会をよりよくしていきたいと願う気持ちが強くあります。そして、社会を自分たちの手でよりよいものに変えていきたいという思いを持つ多くの人たちに支えられて、ここまで来ることができました。そしてこれからも、そんな思いを共有しながら、ボランティア活動の推進にあたっていきたいと思っています。
社会の中に暮らしている一人として、「何か自分に出来ることはないか」「自分は何のために生きているのか」「社会の役に立てることをしてみたい」と考えている人はたくさんいると思います。また、何となく社会のためということでなく、身近な環境をよくしていくことを考える人たちもいます。例えば、自然の動植物を守る活動や温暖化を防ごうとする取り組み、里山を守ろうと竹林伐採をする活動など、例を挙げれば数限りない取り組みがあります。
自分たちの社会は自分たちの手で創っていく。私たちは、誰かに与えられる社会ではなく、ボランタリーなひとりひとりの生き方を通して、社会を創っていくことが出来るのだと思います。
しかし、私たちは今、家族や仕事など自分自身のことに忙しすぎ、周囲に少し目配りをすることさえ出来なくなっている気がします。自分の隣には誰がいるでしょうか。友だち、家族、隣人、周囲の人たちに、ひとりひとりが少しずつ気持ちを伝えたり声かけをしていくだけで、社会は大きく変わります。無関心でいた関係から、声を掛け合い、あいさつする関係に、そしていざという時には助け合うこともできる関係に変わるのです。そんな社会にしていくために、あなたのボランティア活動への参加を待っています。

特定非営利活動法人
静岡県ボランティア協会